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「むふふ…。」
遮光カーテンを閉めきって、暗い部屋でひとり、コントローラを握ってニヤける私。
なぜカーテンを閉めてるかって?
光が映り込んで、湊学園の皆様が見えにくくなるからさ!
あぁ~もうッ!伊吹ったらツンデレなんだから!
画面の中でデレ顔を見せるイケメンキャラクターに発狂していると、ガチャリとドアの開く音がして、私のテリトリーに侵入者が現れた。
「また、オトゲーしてんのか。
いい加減3次元で女磨けよな。」
幼馴染みの渚千鶴(ナギサチヅル)だ。
家が隣で家族同士も仲が良く小学校からの腐れ縁。中学校も一緒だったし、今通っている6年制の高専も同じ。まるで自分の家のように、人の部屋に入ってくる。
「うら若き乙女の部屋に勝手に入ってくんな。」
画面からは目をそらさずに、素っ気なく言ってやる。
「何が『うら若き』だ。
18の女が、普通休日の真昼間に
暗い部屋でゲームなんかしねぇよ」
「うるさい。」
あ~。もう。春田先生のボイスが良く聞こえなかったじゃん。
「しかも前髪全上げ、on眼鏡。
なんだそのパイナップルみたいな頭。
おまけにすっぴん。」
「うるさい、うるさーいっ」
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