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私は一時停止ボタンを押して千鶴の方を向いた。
「だいたい何の用??」
至福の時を邪魔されたので、めちゃくちゃイライラする。だいたいこいつは、遠慮が無さすぎるのだ。
「うわっ、すっげぇ不細工な顔!
お前そんな顔、俺以外に見せんなよ。一生男できねぇぞ。」
「余計なお世話!!」
いくら幼なじみでも
失礼にも程がある。
私はお尻に引いていたクッションを、千鶴に向かって投げつけた。
「うわっ!!危ねーなぁ~。
渚家特製プリン持ってきてやったのに、もうやらねーぞ!」
千鶴はクッションを軽々とよけて、手に持っていた紙袋を振る。
「ぷりん!!」
私は小さく叫んだ。悔しいが、こいつの母君が作るプリンは絶品なのだ。
「沙智子おばさんも、泰典おじさんもいないみたいだから、2階に上がって来たんだよ。それなのにそんな態度とられちゃぁ、これはあげられないなぁー。」
千鶴は意地悪気に笑いながらプリンの紙袋を背に隠す。ちなみに沙智子と泰典は私のおかんとおとんの名前だ。
勝手に人の家に上がるのはどうかと思うが、私はあえて突っ込まず、プリンの為に一気に下手に出た。
「渚さま!千鶴さま!!
何卒無礼をお許しください!!」
「どうしよっかなぁ~♪」
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