第1面:画面世界侵入

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私は肩をすくめて、 2個目のプリンに取りかかる。 これ食べ終わったら、 朝倉様に会いに行こ! 千鶴のことは全く気にせず、私はすぐさまゲームの続きに頭を巡らせた。 私が『湊学園高等部恋愛事情』略して『ミナコウ』にはまったのは2年前だ。 それまでもゲームは好きだったのだが、プレイするのは画像のクオリティの高さで有名なRPGとか、赤い帽子に髭がチャーミングな国民的な人気キャラクターが出てくるゲームだった。 大衆性が強いものなので、千鶴にもそこまでオタク扱いはされていなかったし、むしろ一緒にプレイしていたぐらいた。 しかし、インドアな私は動画サイトを徘徊するようになり、そこで運命の出会いをしてしまう。 それが『ミナコウ』のアニメだった。 恋愛に多大な興味がある年頃の私に、そのきゅんとさせるストーリーは爆発的な衝撃を与えた。 原作がゲームだと知り、即購入。 すると、アニメの数倍緻密で美しいイラストにもメロメロになり、更にはまってしまった。 何回プレイしたか分からない。 5人のイケメンが出てくるのだが、 そのすべてで全クリしている。 ミニゲームの攻略法も 選択肢の選び方も しっかり頭に入っていた。
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