第1面:画面世界侵入

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それからだ。千鶴が私に酷いことを言うようになったのは。 オタクだの、根暗だの、腐女子だの そんな感じのことを言われる。 そのくせ私の部屋に上がり込んでは、私がゲームをしているところを見ているので、千鶴も『ミナコウ』に結構詳しい。 更に言えば、高専での知識を生かして、コントローラーを持ちやすいように改造してくれたり、イベントを録画できるように、録画機器の回線を変えてくれたりする。 私はなんとなく興味がある程度で高専に入ったのだが、千鶴は本気で機械いじりが好きなようで、自分で色々作っている。学校でも一目置かれているらしい。 「コントローラーの調子が悪かったから 見てもらいたかったのになー。」 私は3つ目のプリンにスプーンを入れながら呟く。 何をあんなに怒ったのだろう。最近は喧嘩してばかりだ。 「ね、朝倉様。」 私は2次元で微笑む 黒縁眼鏡の美男子に語りかけた。
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