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彼女は震えていた。
彼女には普通だったらこんな道を歩む筈はなかった。
闇に紛れるように生きてきた彼女をこの表の世界に引きずり込んだのは俺だった。
だから俺はそれなりの責任を負う。
震える彼女に手を差し延べた。
彼女のか細くて小さく色白とした綺麗な手が俺の手の平に乗る。
案の定震えてる。
彼女の手をしっかり握り俺の生涯で1番好きな人の顔を見た。
つい笑みが零れる。
気付くと彼女の手の震えが止まっていた。
もう大丈夫だから、と――
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