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自分にこんなことがあっていいのかと、あまりにも幸せで。
思わず苦笑い。
一人が当たり前だったのに、幸せにはなれない、そうわかっていたのに。
どこかで幸せになりたいと儚い夢を抱いて暮らしたあの時。
彼との出会いが、私の運命を変えた。
「さ、彼が待っていますよ」
また深呼吸。
落ち着かない自分をどうにか抑えようとする唯一の方法。
でも落ち着かない気持ちはやがて身体が震えになっていて。
手が、止まらない。
白鷺の王子が無言でお水を差し出してきた。
日の光がお水に反射しつい目を瞑ってしまう。
白鷺の王子はそれを察し自分の手にしっかりとコップを握らせてくれた。
コップを震える両手で落とさないように慎重に握り締める。
口角を上げ水を喉に流し込む。
綺麗な水は渇いた喉に染み付くように潤してくれた。
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