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僕は最後の通告のつもりで……久音に語る事にした。何を言ってもこいつは、僕を追ってくれた。最早僕が久音を止める権利などありゃしない。ただ──最後に。本当の最後に、止めるなら。直感的に、ここがラストだと感じた。僕は誰にも語った事のない、自分の根底にあった心情を呟こうと思う。
「どれだけ涙を流しても彼女を忘れる事なんて出来なかったよ。僕の初恋だ。恋をするのが初めてで、上手く出来なかった人間が……恋心の忘れ方を知ってる筈もない」
「勝手な妄想をして、好き放題に未来を想像し、描いた。メールなり会話なり何でもいい。心と仲が良かった自分に酔って、勘違いをしたりもした」
「彼女の何気ない一言が僕の宝物だったよ。どんなに嫌な事があっても、それ一つで僕は我慢できた」
「そんな心中毒とも言える僕の生活から、心が消えた。多分酷い顔をしていたと思う。まだ僕が書記だった頃の──生徒会のメンバーに悟られないように、必死だった」
「特に長峰は鋭いからね」
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