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その後も少しずつ彼女は語ってくれたが、内容は今迄の学校生活や久音との会話の心情などをつらつらと言ってくれたというものであったが、僕も知る内容が多々ある上に長そうだ。てなわけで。
「いや、もういいや。大丈夫」
「……私、何か失礼な事を言いました?」
「そうじゃないさ。ただ、少し前の僕らの会話を思い返して、あんまり聞きすぎるのも野暮かなあって。結局、好きな理由なんて好きだからだしね」
「ここまで中途半端に私に語らせておいてまたそのような事を……」
見慣れつつある久音の呆れた表情を見て、僕は前を向く。そうか、そこまで僕は久音に好かれていたのか。
「というより、思い返せば僕と久音って結構接点あったよね。どんなイベントでもかなり絡みあったし」
「だからこそ、私は貴方に惚れてしまったのですわ。貴方は神様なんて居やしないと突っぱねてますけど、この流れが仮に運命とするのなら、私は神様に感謝したいくらいですわ。でなければ、私は貴方の良さに気付かないままでしたから」
……少し、照れる。こうもストレートに感情表現をされると。
そこが久音の良くもあり、悪いところでもあるのだが。
「……なあ久音」
「なんですの?」
「話はめっちゃ変わるけど、近いうち僕一度生徒会休むから。その日は生徒会休みで」
「……この忙しい時に?」
「会長印を渡すわけにもいかんしね」
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