37.混沌に射すもの。

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「それはまた、  空を仰ぐ日を迎える為だと思うんだ」 淡々と要領を得ない話。 だけどなんだか不思議と。 絵本を読んでもらった子供の頃に還ったように、全ての感情を捨ててただその声を聴くだけに集中出来た。 言葉が心にすうっと届く。 「俯いて初めて。  足もとの石ころを見付けるだろう?」 それから蹴飛ばして。 蹴飛ばして、蹴飛ばして。 そうやってやっと 一歩ずつ前に進めるんだ。 そしたら ふぅっと風が頬を撫でてくれるよ。 一生懸命歩いたからね、 きっと汗をかいたんだろう。 だから風を感じることも出来るんだ。 それから。 風の行き先を 辿ってみたくなるだろう。 「そしたらね、  自然と上を向けるよね。」 .
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