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「それはまた、
空を仰ぐ日を迎える為だと思うんだ」
淡々と要領を得ない話。
だけどなんだか不思議と。
絵本を読んでもらった子供の頃に還ったように、全ての感情を捨ててただその声を聴くだけに集中出来た。
言葉が心にすうっと届く。
「俯いて初めて。
足もとの石ころを見付けるだろう?」
それから蹴飛ばして。
蹴飛ばして、蹴飛ばして。
そうやってやっと
一歩ずつ前に進めるんだ。
そしたら
ふぅっと風が頬を撫でてくれるよ。
一生懸命歩いたからね、
きっと汗をかいたんだろう。
だから風を感じることも出来るんだ。
それから。
風の行き先を
辿ってみたくなるだろう。
「そしたらね、
自然と上を向けるよね。」
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