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実際、街中でひょっこり会うことなどないのだろうと諦めている自分がいる。
小学校の卒業式、今日よりももっと騒がしさと湿っぽさが混じった空間の中で「またすぐ会えるよね、近くに住んでるんだし」なんて言葉を沢山耳にしたし私も口にした。
私立の中学への入学が決まっている眼鏡をかけたかわいらしい顔立ちの男の子や、凛とした横顔が涼しげな女の子達に。
やっと泣き止んだと思ったら友達の泣き顔を見るとまた涙が込み上げてきて、真っ赤になった顔を見ながら笑い合ったりした延長線上に。
でも、桜が咲いて散っても、どれだけ太陽が照り付けては陰っていっても、その子達とひょっこり会えることはなかった。
夕焼け道を一人で影踏みしながら、時々「ひょっこり」という約束を思い出してはぶかぶかの制服に身を包んでちょっとだけ泣いた。
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