13354人が本棚に入れています
本棚に追加
「…はぁ…はぁ…」
「遅いぞ、想介!」
息を切らしながら走ってきた俺を、良哉は見るや否や偉そうに一言。
…全く、あれから全速力で走ってきてやったというのに、その態度はなんだ。
それにしても第三寮から学園の北校舎までって、結構距離あるのな…。
「仕方がねぇって…、呼ぶのがいきなり過ぎだろ!?」
ちょっとはこっちのことにも、考慮はして欲しいものだ。
「はは…わりぃな」
俺の言葉に良哉は、無造作に立たせた栗色の髪を右手で掻きむしりながら謝る。
謝られている気がしねーぞ、オイ!
…ま、そんなところも憎めないのが、良哉の良いところだな。
「想介を呼んだのは、今から試合が行われるからなんだぜ! もちろん…見たいだろ?」
「ああ、そもそも召喚術を使った戦闘方法すら知らねぇからな…」
おおまかに召喚術っつっても、生活に便利な召喚術とか、戦闘に使う召喚術など、色々なバリエーションがある。
知っての通り、俺は戦闘についての知識は皆無だ。
最初のコメントを投稿しよう!