第四章 戦う召喚師

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「…はぁ…はぁ…」 「遅いぞ、想介!」 息を切らしながら走ってきた俺を、良哉は見るや否や偉そうに一言。 …全く、あれから全速力で走ってきてやったというのに、その態度はなんだ。 それにしても第三寮から学園の北校舎までって、結構距離あるのな…。 「仕方がねぇって…、呼ぶのがいきなり過ぎだろ!?」 ちょっとはこっちのことにも、考慮はして欲しいものだ。 「はは…わりぃな」 俺の言葉に良哉は、無造作に立たせた栗色の髪を右手で掻きむしりながら謝る。 謝られている気がしねーぞ、オイ! …ま、そんなところも憎めないのが、良哉の良いところだな。 「想介を呼んだのは、今から試合が行われるからなんだぜ! もちろん…見たいだろ?」 「ああ、そもそも召喚術を使った戦闘方法すら知らねぇからな…」 おおまかに召喚術っつっても、生活に便利な召喚術とか、戦闘に使う召喚術など、色々なバリエーションがある。 知っての通り、俺は戦闘についての知識は皆無だ。
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