序章~事の始まり~

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 やってしまった……  初夏のとある放課後。鉄の感触を後頭部に感じながら、岸田洋介は自分の仕出かした行動を後悔していた。  やや精悍な顔立ちに、やや引き締まった体躯。その彼は今、一人の女子高生によって身柄を確保され、自動小銃の銃口を押し付けられていた。脂汗が額から浮かび、唇は恐怖と絶望感で引き攣っている。やばい。これはマジでヤバい。下手したら殺されるかもしれない。彼女の目は獲物を仕留めた猛禽類のような鋭い眼光を放ち、今にも引き金を絞りそうなオーラを漂わせている。
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