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よろよろと立ち上がり、風呂場に向う。母さんが帰ってくる前に全部片付けなければいけない。こんなの見られたら、また心配させてしまう。 立ち上がると同時に太ももに伝った精液が気持ち悪い。けれど、ゆっくりもしていられない。 「痛……っ」 シャワーで湯を被ると、傷付いた所がしみて、思わず声が漏れた。泣いていたのかもしれないが、シャワーでわからなかった。 …………… 風呂から上がり、床に付いた精液や血液を拭き取り、ここであった出来事を抹消する。たとえ、抹消しても事実は消えない。床に落ちていた携帯を拾うと、メールが一件届いていた。 そこには一枚の写真と愛の言葉が綴られていた。それは、俺が慶吾から逃げられないようにする呪いの言葉のように思えた。 『あいしてる』なんて、言わないで。
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