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とある村の広場。
大きな木にもたれ掛かり、一人の少女が泣いていた。
「ねぇ…。何で私をそんな目で見るの?」
「誰か助けて…」
黒色の髪と瞳を持つ少女は、通る人々から冷たい目を向けられ、罵声も浴びせられ、今にも心が壊れそうだった。
そんな中、白いフード付きのローブを纏った者が少女に近付いた。
「憎いか…?」
「え?」
声から察するに、その者は男の様だ。
いきなりの質問に戸惑っている少女をよそに、男は続ける。
「力が欲しいのなら、俺に着いて来るがいい」
男はそう言うと、村の外へ、ゆっくりと歩き出した。
「ま、待って!!」
少女は無我夢中になり、男を追い掛けた。
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