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「とにかく『見』させてもらうよ」
僕は『見る』。喜恵ちゃんはこっちに向かって筋肉アピール。なぜかシモネタオヤジも同じポーズをとる。
集中力は大きく削がれるが何とか『見』えた。
守護霊が入れ替わってる。
ここで少し守護霊について説明させてもらう。
守護霊は一人に一人憑いてる、という訳じゃない。
実は『霊能者』によって見え方は様々なのだ。
たとえば僕は一番格の高い守護霊が中心に居て、その回りを取り囲むように格下の守護霊が何体か居るように『見』える。
ある霊能者には一番格上の守護霊しか見えない人も居るし、ある霊能者には数ある守護霊の中から一番『波長が合う』霊しか見えない人もいる。
もっといえば二十体以上も守護霊が憑いてる人も居るし、ゼロという人もいる。
喜恵ちゃんの守護霊は何代か前の先祖霊だったのだが…。
「誰だ貴様?」
無駄にブーメランパンツをもっこりさせた、ギットギトにオイルを筋肉に塗りたくったマッチョ霊が「はあぁ…!」とポージング。
「貴様誰だと聞いている」
「僕の名前かい…?スコーピオン向井だよ…」
「そんな事は聞いてない」
「じゃあ好きな食べ物かい…?低カロリー高タンパクな物だよ…」
僕は九字。
「ぎゃあああああぁ!?」
スコーピオン向井は苦しむが守護霊の位置から離れない。
「く…、ふっふ…、残念だねボーイ…。私を除霊すると守護霊不在になる…。そうなると…」
僕は九字。
「ぎゃああああぁ!?だ、だから…」
九字。
「ぎゃああぁあ!?」
九字。
「んんぎゃ…!?」
九字。
「くふ…」
スコーピオン向井は白眼剥いて倒れた。
「ホント離れないな…」
九字をあと三回したが離れない。
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