マッチョ売りの少女

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僕、片瀬宗一郎は喜恵ちゃんの家に来てる。 「なるほど…。そういうことか…」 「そーなの宗ちゃん!何とかして!」 「とりあえず喜恵ちゃん」 「何!?宗ちゃん!?」 「喋るならダンベルトレーニングをやめようか?」 今、喜恵ちゃんは忙しくダンベルを上げ下げしてる。 「ちょっと待って!!あともうワンセットしなきゃ!!」 「あとでも出来るだろ?」 「ダメよ!!ツーセット目から筋肉が目覚めるんだから!!今やらなきゃ筋肉がデカくならないわ!!」 やれやれ…。 部屋もずいぶん様変わりしたな…。 トレーニング器具が増え、ボディービルダーがマッチョポーズでこちらに暑苦しい笑顔を向けたポスターが貼られている。 「じゃあトレーニングは続けていいから。勝手に『見』させてもらうよ」 「え!?見るの!?ちょっと待って!!」 喜恵ちゃんは服を脱ぎ出す。 「ちょっ、ちょっと喜恵ちゃん!?」 「大丈夫よ!!ビキニ着てるから!!」 喜恵ちゃんはビキニ姿になって体にオイルを塗りたくる。 「はあぁ…!!」 ポスターと同じマッチョポーズをする喜恵ちゃん。 「どう宗ちゃん…?かなりデカくなってきたでしょ…?」 「なにが?」 「本当は上腕三頭筋にもっとキレが欲しいんだけど…、それはデカくしてからかな…」 「だからなにが?」 喜恵ちゃんは姿見鏡に目を移し、自分の筋肉を見てうっとり心奪われる。 うん、うぜー。
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