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「それでは次のニュースです。本日付けで醜悪罪で逮捕された者はとうとう10万匹を越えたようです。 彼等は駆除されこの都市ニューイーストは美しく保たれています。どう思いますか? 本田さん?」
「そうですねぇ。まだ足りないと私は考えます。この都市が更に美しくなるためには、醜い者をしっかりと隔離か処分しなければならないでしょうね」
「ありがとうございます。本田さん。それではCMを挟みまして芸能ニュースをお送りします」
--プツン
下らないニュースに嫌気がさし、僕はテレビを消した。
数十年前の2000年代から社会問題となったニートやいじめの問題等に対して過激な政策が打ち出された。
簡単に言ってしまえば、汚点を持つ人間を隔離や処分してしまおうと言う物だ。
人権擁護の為のランク別就業、住居に関する法律と言うそうだが、一般には醜悪罪と言う言葉で広がっている。
美しく、金を持つ人間を守るという政策なのだが、差別とは人の性か、この法律は簡単に受け入れられた。
(暴動等は起こったらしいが、全て武力や取引で捩伏せたらしい……)
そんな日常にまったくの疑問を持たず僕はこの街で暮らしていた。
世界が変容するその時まで……。
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