管理都市ニューイースト

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綺麗な町並み。 綺麗な空。 綺麗な道。 綺麗な人々。 綺麗な……。 綺麗な綺麗な綺麗な綺麗な綺麗な綺麗な綺麗な綺麗な綺麗な綺麗な綺麗な綺麗な綺麗な綺麗な綺麗な綺麗な綺麗な綺麗な綺麗な綺麗な綺麗な綺麗な綺麗な綺麗な綺麗な綺麗な そう綺麗なんだこの世界は。 全ては綺麗で、シンメトリックで、画一的で、無個性。 これが僕の知る世界であり、その全てだった。 醜悪罪が施行されてからは、ホームレス、犯罪、いじめ、貧困問題その他諸々の否社会的な行動が無くなった。 僕が産まれてからは、そういった行動を起こせばオールドイースト行きとなってしまうから当然だ。 市民にはIDチップが組み込まれ、そういった行動は監視されている。 これでは、否社会的な行動を起こし様がない。 そして医療技術の向上、ロボット技術の向上が合わさり機械による整形が無料で実施された。 その結果、ルックスの善し悪しによる差別が無くなる。 ここまで完璧に管理された世界では、一個人の思想より、大衆の数の倫理が確実に勝る。 そうして世界は正に、画一的な幸せや平等に包まれ綺麗な世界を作りだしたのだった。 だがやはり、自由と言う言葉は甘美な響きなのだろう。 反発する者が居た。 市民介抱軍と名乗るテロリストの事だ。 彼等は市民IDを剥奪された為らず者の集団として知られており、オールドイーストを縄張りとして政府軍と戦っているそうだ。 自分とは関係ない話しの為、詳しくは知らないのだが……。 ちなみに、この両軍の激突は市民の娯楽となっている。 蟻が象に踏み潰される様を見学して、嗜虐心を満たすのだ。 トトカルチョも行われ、どの機械兵士が何匹殺すかを賭けると言う否人道的な物だが、売り上げは上々なそうだ。 ちなみに否人道的とは言った物の、市民IDを持たない者は人では無いと言うのが常識なので害虫を殺す程度の気持ちでしか、僕ら市民は思っていない。
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