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「いらっしゃ…憂くんではありませんか」
『お久しぶりです…二人なんですけど空いてますか?』
俺の後ろからひょっこり顔を出す彼女
「おや、彼女様も一緒でしたか…
ではこちらへどうぞ」
尾澤さんに案内され、俺達は一番端の席に着いた
「さっきの人…知り合いなんですか?」
『ん?まぁね。それより頼んでいい?』
「はい!どうぞっ」
メニューを広げ、まじまじ見る
『えーっと…テキトーに注文するから摘んでね』
「はい!」
『…すいません』
俺は近くにいた店員にあれこれと注文した
「憂さんって凄く人気があるんですよ」
『何が?』
「仕事先の人とか、お客さんとか…
特にお客さんから良く憂さんの事聞かれるんです」
『へぇ』
それは知らなかった!
「だから憂さんが目の前にいるなんて…信じられない」
『ふーん…』
早く酒こねーかな…
軽々しい返事を適当にしながら俺はただ酒を待つ
そして何気なく店内を見渡したんだ…
うん
今日は変な酔っ払いはいないと見た
もう殴られたくないしな…
「憂さん…聞いてますか?」
『え?』
「もう…」
口を膨らます彼女
そんな事しても可愛くねーし…逆に変な顔…
「お待たせ致しましたー!」
おっ!やっと待ちに待った酒が来た
『じゃっいただきまーす!』
ごくごく…
うめーっ!これだこれっ
待ち望んでいた酒を早速飲み干した
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