Ｓなお前とＭな俺

Ⅱ

『………ゲプっ』

何だかんだと色々食ってたら腹いっぱいになった…

「大丈夫ですか？顔、赤くなってますよ」

『あー大丈夫！平気平気…マジ満腹』

「そろそろ出ますか？」

『んー…あと一杯だけ飲もうかな』

「無理しないで下さいね」

『おー…』

彼女は店員を呼んだ

『……』

何て便利なんだろう…

女って何でもしてくれるんだな

「お待たせ致しました」

『…ん？』

ぼーっとしてたら尾澤さんが酒を持って来てくれた

「はいどうぞ。憂くん、今日は来てくれてありがとうございます」

『あ…こちらこそ』

尾澤さんは彼女をちらっと見た

「…とても可愛らしい彼女様ですね」

「あ…いえそんなっ」

持って来てくれた酒を飲みながら少しの他愛のない話

「憂くん、あれから朔夜とは会いましたか？」

『朔夜…？』

朔夜…朔夜……

ああ！
確かあのシルバーの綺麗な奴か！

『いえ…会ってませんけど』

「そうですか」

何なんだ？

ってか別にあいつとは友達でも何でもねーし…

「彼、憂くんと友達になったって喜んでましたよ？
連絡先聞き忘れたとか何とか…」

ん？友達になった？

そうなのか？

まぁ何でもいーけど

『そうですか…まぁまたいつかどっかで会うんじゃないですかね？』

「はは…だといいですね」

〈店長ー！〉

「あ…呼ばれてしまいました。
ではお邪魔しました」

『はい。じゃあ…俺達も出るか』

「はい！」

席を立つ俺達

会計は彼女に任せて…っと

俺は彼女よりも先に店を出た

なんつったって奢りだから気にしない気にしない…

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