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店のクローズ作業も終わり、 バイト達もそれぞれ家に帰って行った 「すいません。お待たせしました…ってあらら」 テーブルに顔を伏せて眠ってしまっている憂の姿に苦笑い きっと憂くんの事だからお礼を言いに戻って来てくれたのかな? お礼なんていいのに… 「こんな所で寝ていたら風邪をひきますよ?」 『……Zzz』 きっと疲れていたんだな… 「えと…憂くん?」 少しだけ身体を揺すってみる 『んん……』 「こんな遅い時間になってしまってすいませんでした…」 『………』 うーん… 起きる気配がないし… 困りましたね このままここで寝かせる訳にはいかないし… 明日はちょっと外せない予定が入ってしまっているし… 「この時間に出てくれれば良いのですが…」 携帯をポケットから取り出し、電話をかけた 店のドアが開く 「尾澤?こんな時間に呼び出して何か用…」 目に飛び込んできた人物に驚く 「すみません。憂くん寝てしまいまして…」 「………」 「…呼び出した理由なんですけど、 明日はちょっと外せない予定がありまして… このままにしておく訳にはいけませんので、憂くんを朔夜の家で寝かせてあげてくれませんか?」 「……いいけど」 「それは良かった… ではよろしくお願いしますね あと、憂くんが起きたら謝っておいて下さい」 「…わかった」 朔夜は憂を抱きかかえた 『……Zzz』 「…爆睡だ」 「ええ。今日はとても可愛らしい彼女と来てたんですよ」 「…ふーん」 店の電気を消し、外に出て鍵を閉めた 「では、よろしくお願います」 尾澤は軽く頭を下げ、駐車場へ向かった 「……」 それを確認して朔夜も店の前に停めてあった車の後ろへ憂を寝かせ、 運転席に乗り込んだ .
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