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『とりあえず、知らせてくれてありがとな…』 「……」 楽に生活してはいかんな 今まで家の掃除とか彼女にやってもらってたし… 明日からは自分でやるか そう思いながら少し港を歩いてみる 『お?』 カニ発見! しかもなかなかのでかさ… こんな時男はガキに戻るんだよな… 『おい朔夜!来てみろよ!』 「………憂っ!!」 『えっ?』 バコッ…!!! いきなり後ろから頭に衝撃が走った 『…っ!』 俺はそのまま地面に倒れたんだ… 『ぐっ…』 朔夜がこっちに走って来るのがぼんやり見える 「せっかく昨日あいつの携帯からメールしてやったってゆーのに…」 何…? 目が血でかすんでるせいかよく見えない 誰だ?男…? 「お前の跡をつけたらこんな所まで来やがって…」 『だ…誰だよ……』 「お前が遊んだ女からのお返しだよ!」 『うっ!』 腹にまで蹴りを入れられた 『ゲホッゲホッ!!』 遊びをやめるって言った瞬間これかよ… クソッ 「憂ッ!!」 『朔…夜……』 「てめぇ……」 「何だお前。変な髪しやがって…お前もやられてーのか!?」 「俺をやる?やってみろよ」 『やめ…朔夜……』 朔夜を巻き込む訳にはいかない… 「どけよ。まだそいつに用があんだよ」 「…憂に何を?」 「聞きたいか?これからそいつが見れねーようになった写真を撮るんだよ!あいつへの土産だ」 男はデジカメを取り出した 「そいつが終わったら次はお前」 「じゃあ…お前の写真を撮ってやるよ」 朔夜は男が持っていたバットを一瞬で取り上げ、 男の顔面を思いきり殴った 「ギャーー!!!」 「……」 鈍い音が何度も響いた バキバキバキッ 男が動かなくなった後、デジカメを踏み潰した 「………憂」 『う…』 すぐに憂の身体を支える 「憂…血が……」 朔夜はそのまま俺を抱き上げてくれたんだ 『すま…ねぇ…』 「喋らないで」 うっすらと見えた朔夜の頬に血がついていた それが何故かとても綺麗に見えたんだ… .
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