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「憂…」 『……ん』 気がついた時には港とは違う場所にいた 「…ごめんね。深夜だったから急患で病院行こうとしたんだけど、怪我が怪我だから… 警察はまずいでしょ?」 ここは…朔夜んち…? 『痛…いてー…』 「触っちゃ駄目」 頭に何か巻いてある…? 包帯…? 『これ…朔夜がやってくれたのか?』 「うん」 『ちょっと緩い…』 「本当?ちょっと待ってね」 朔夜はそっと包帯を巻き直してくれた 『…朔夜、俺……』 「何も言わないで」 『俺…』 「ごめんね。もっと早くあいつに気が付いていればこんな事にはならなかったのに…」 『朔夜…お前頬に血が…』 「え?」 「ああこれ…俺のじゃなくてあいつのだから大丈夫」 『…』 「顔洗ってくるよ」 立ち上がり、洗面台に向かう 顔… 俺も顔洗いてぇーな… ってか、あいつの血って言ったかさっき? 『あぁー…頭いてぇ…』 ……… きっと罰が当たったに違いない こんな形で仕返しが来たとは… 『…キツイっす』 「何がキツイの?」 『え!?ああ…何でもない』 もう洗って来たのか… 「だから触っちゃ駄目だって」 『うう…』 クソッあの野郎… 「憂のお返しはきっちりしておいたから」 『…え?』 「多分死んではないと思うけど…」 『…朔夜って見た目と違って実は強いとか?』 「何それ?…ただ憂が殴られたの見た時本気で頭にきただけ」 『…それはどうも』 「うん」 『マジ…マジごめん。 俺のせいで朔夜まで巻き込むなんて最低だ…』 「そんな事ない」 もし朔夜が強くなかったら朔夜も… そう思えば思う程自分に腹が立って来た 俺のせいで… 「憂…」 『はは…マジ有り得ねぇー…最悪な友達だろ? いいんだぜ?嫌だったらもう俺に関わらなくて』 「………」 俺だったらこんな奴… 「本気で言ってるのか?」 え…? 「ふざけんな。俺がいつ嫌だと言ったんだ?」 朔夜…喋り方が… 「いい加減にしろよ」 『いや…』 急にどうしちまったんだよ… 「俺は憂を守れなかったのにただでさえイライラしてんのに… それなのにお前は…」 『ちょっと待てよ!』 守るとか…おかしいだろ! 「うるさい」 朔夜は眉間にしわを寄せ、 俺の目の前まで顔を近付けてきた .
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