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『う…』 何故か目を反らす事が出来ない 「………」 『あの…朔夜?』 恐る恐る名前を呼んでみる 「ごめんね…つい」 そっと俺から顔を背けた な…何なんだ? 「俺、頭に血が昇ると訳わかんなくなっちゃうんだよね…」 『いやその…』 「ごめんね」 朔夜…… 『悪かったよ。俺もちょっと言い過ぎた』 「うん」 そうだよな…今のはかなり俺が悪い 助けてもらっといてあれはなかったな… 『朔夜…』 「…うん」 『ありがとな…』 「うん」 こいつ…本当に友達思いな奴なんだな 俺はさっき自分が言った事を思い出し、反省した 『あ…』 つい頭を触ったら包帯がいがんでしまった やべっ… 『…っ』 慌てて直そうとしたら朔夜が俺の手を止めた 「だめ。やるから」 『………わりぃ』 俺はまた朔夜に包帯を巻き直してもらった… その時ふと思った 朔夜の手つきは… まるで壊れ物を扱うように慎重で凄く優しかったんだ… .
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