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着いた先は何故か空港だった 朔夜は車を降り、また元カノを抱き上げ、空港の中に入って行く 『……』 俺はびびりながらも黙ってその後を着いて行く 「良かった。間に合った」 『は?』 どういう事だ? 「ちょっと持ってて!」 朔夜はいきなり元カノを俺に渡してどこかに行ってしまった… 『はぁ…』 とりあえず言われた通りロビーで待つ 何分かたった時 何故か知らない人と朔夜が戻って来た 「お待たせ」 『どこ行ってたんだよ』 「ちょっとこの人と話してた」 朔夜の隣にいるのはどう見てもはるかに年上だろうと思える男性だった 服装から見てあきらかにこの空港で働いてる人だ 「今晩は。機長の佐々木と申します」 機長… 『えぇ!?』 「じゃあ佐々木さんよろしくね」 「このような事はもう絶対やりませんからね! 今回限りですから!」 「わかってるよ」 「では彼女をこちらへ…」 『えっ?は、はい』 なんだ? とりあえず言われた通り元カノを機長に渡した 元カノを連れて佐々木さんはいなくなった… 『…何を考えてるんだ?』 「来て!」 朔夜は俺の腕を掴み、外に出た しばらくすると空港から飛行機が飛び立った… 「…最終に間に合って良かった。ギリギリだよ」 『どういう事だ?』 「彼女には高飛びしてもらった」 『はぁ!?』 「行き先は海外…危ない国じゃないから多分大丈夫でしょ」 『おい!マジで言ってんのか!?』 それって不法入国じゃねーのか! ってそんな事じゃなくてっ! 「大丈夫。佐々木さんが何とかしてくれるって! でも向こうから帰ってくる時はパスポートがないから大変だろうね」 『やり過ぎだろ!!』 思わず怒鳴ってしまった 「憂…」 俺をじっと見てきた 「俺は本気でキレたんだよ。これぐらい当然だろ」 うわ…キレてる 「憂は関係ない…これは俺が勝手にやった事だよ」 クスッと笑い、朔夜は駐車場に向かった .
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