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『はぁ…はぁ… 何しやがんだよ……』 肩で呼吸しながら口を押さえた 「…どうして?あの女とは出来るのに俺とは出来ないの?」 『俺は男だ!』 「知ってるよ」 朔夜は髪をかきあげ、俺をじっと見つめたんだ… 「痛い目に合ったばかりなのに…まだ遊ぶつもり?」 『はぁ!?んな訳ねーだろ!』 「キスしてたじゃない」 『あれはあいつが別れる前に最後にしてくれって言うからしただけだ! ってかマジ何なんだよ!』 俺がそう叫ぶと、少し驚いたような表情になる朔夜 「……そうだったんだ」 そして安心したように目を閉じた 『マジ有り得ねー…』 「何が?」 『男とキスした事だよ!』 「…ごめん」 朔夜は手に持っていた物を憂に渡した 「憂の服…乾いたから持って来ただけなんだ… そしたら憂が…」 あ? 今自分が来ている服を思わず見る 『………』 そう言えば朔夜の服を借りたままだった… 『…そりゃどーも』 「憂…」 『服はまた今度返す。けど返したら二度とあんたとは会わない… 帰ってくれ』 「憂…」 『帰れ!!』 「……わかった」 玄関のドアをゆっくり開け、 「…ごめんね」 そう呟いて朔夜は出て行った 『……』 思わずその場にしゃがみ込んでしまった … 出て行く時の悲しそうな朔夜の顔が頭に過ぎる 少し…言い過ぎたかな たかがキスされただけだろ 男に…… 気にする事じゃねぇ… 罰ゲームだったら男同士でもキスするだろ でも… 俺、ゲームなんかしてねぇ… .
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