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『尾澤さん酔ってんじゃないっすか!?』 ぐいっとまた酒を飲み干す 「そうですね。酔ってるかも知れませんね」 『ちょっ!うわっ』 いきなりソファーに押し倒された… 『う…』 視線がぶつかり合う 心臓が破裂してしまうんじゃないかと思うぐらいバクバクしてる… 「顔…赤いですよ?」 『マジで…?』 やべー…俺も酔って来てるし さっきの一気飲みが効いたらしい… 押し倒された瞬間頭がクラクラした 尾澤さんの指が俺の唇をなぞる 「大丈夫…力を抜いて」 『尾澤…さん……』 また俺は男にキスされてしまう…のか バンッ!! 「やめろ!!」 ドアをぶち破って入って来たのは… 頭をドアの方へ向ける 『…朔…夜……?』 「遅かったですね。もう少しで本当にしちゃう所でしたよ」 ………んん? さっと尾澤さんは俺から離れた 「さっきつまみを取りに行った時呼んだんですよ」 んんん? 状況がわからない… 「憂っ…」 俺に飛び着くかのように抱き着いてきた それを見て尾澤さんは微笑む 「全く…せっかく鍵を開けていたのに… 明日ドアを修理しなくてはなりませんね。」 「憂?何をされた? 尾澤!!憂に何をした!」 「何もしてませんよ。 ただ私は、早く来ないと憂くんを…って言う所で電話を切られました。 憂くんを家に送るって言おうとしただけなのに」 『…何?』 会話の内容がいまいち掴めない 「尾澤…」 「こうでもしなきゃ朔夜は素直にならないでしょ?」 「ふん…」 そっと朔夜に抱き上げられた 『あの~…』 何故俺はお姫様だっこなんぞされてんだ…? 「憂くん…先程はすいませんでした。」 尾澤さんは俺に頭を下げてきた 「憂…行くよ」 『えっ』 ちょっ…まだ状況が掴めてないのに もしかして… 俺は拉致されてるのか? だんだん俺の視界に映る尾澤さんが小さくなっていった… .
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