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ソファーにもたれ、潰れたドアを見て苦笑い 「……ふぅ」 全く…朔夜の悪い癖はすぐ何でも壊す事… 今まで何度物を壊されたか数えきれません。 残っていた酒を一口飲む そう… 私が好きになったのは朔夜 あの謎だらけの部分に気がついたら引かれていたんだ でも朔夜は… 好きな人の恋を応援するのも悪くない 俺が朔夜に出来る事はそれだけなのだから… 『うぇっ…気持ち悪』 「大丈夫?」 支えられながら歩く つまみの食い過ぎと酒で胃の中がぐるぐるしてやがる 「ほら、ちゃんと歩いて」 『ぅー…』 朔夜にもたれ掛かりながら懸命に足を動かすが千鳥足… 『…なんでシカトしてたんだよ』 「何?」 『俺、別に怒ってねーしよ』 「シカトしてたのは憂でしょ?」 『…はぁ?』 「電話しても繋がらないしメールしてもエラーだし…」 『ちょっと待て』 ぴたっと足を止める 『それは俺の台詞だ!』 「え?」 『いくら電話しても繋がらねーしメールもエラーだし… せっかく新しい番号とアドレス送ってやったのに何だよ!』 「…何それ?」 『おまっ…まさか……』 朔夜は自分の携帯を開きチェックする 「…本当だ。 あれ、憂だったんだ… 知らないアドレスからやたらメール来るし、知らない番号からやたらかかってくるし…だから拒否してた」 『て…てめぇ……』 「ごめんね」 『メールはちゃんと読め!!』 マジこいつ有り得ねぇ 今まで俺がどんな気持ちでいたか… 歩き出そうとしたら足元がふらついた 『ぅお!』 「危ないっ」 朔夜に支えられた 『俺に触るな…大馬鹿野郎』 「ごめん。今からちゃんと登録するから…」 『あたりめーだ!』 「…憂」 『ぁあ?…んっ』 振り向いた拍子にキスされた 「ごめんね」 このっ…… …まぁいいや 怒れば怒る程無駄だと思った 本当こいつには振り回されるよ .
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