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人だかりの中の一人が私達に声をかけてきた。
『あんたら観光客かい?嫌な時に来ちまったなぁ』
私達はその少女をもう見ることが出来ず、ただ、『大変ですね』『殺人ですかね』と返していた。
警察が駆けつけて、私達見物人はみんな外に出され、軽く質問をされた。
ただ、警察も島の人もみんな私達には優しく、でも少し余所者として扱った。
『これは殺人ですね。』
警察の人が言った。
腹部を刺された痕があり、まだ凶器が発見されていないが、おそらく包丁のような鋭いものだということだ。
殺されたのは、島の住人らしい。
顔見知りの犯行だろうと決めつけていた。
私達は犯人がまだウロウロしているかもしれないからと、警察の人に連れられて旅館に帰ることになった。
嫌なことにパトカーに乗せられて旅館まで移動した。
旅館の奥さんと黒いオジサンもそのニュースに驚き、私達が旅館に入るやいなや、玄関の鍵を閉めた。
『お客さん無事で良かったわ』
奥さんは安心するように優しく微笑みかけてくれた。
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