夢の

旅館

私達が通された部屋は10畳ほどありそうな広い部屋で、部屋の先には障子付きの窓があり、障子を開けると、窓一面に海が広がっていた。
また私と妹は二人で『お～』と呟いた。

『今日高橋さん達が泊まる部屋は鶴の間です。トイレは各部屋にないのでこの奥の…』
奥さんが、私達に旅館の説明を丁寧にしてくれた。
食事は別の部屋らしいこと、お風呂は大浴場と小さな露天風呂があること、チェックアウトは船の時間に合わせて11時だということ、最後に観光するならオススメと、魚市場を教えてくれたこと、夜は人通りもなく暗く危険なので、外出は控えること…島民は早寝早起きなので、夜九時くらいにはみんな寝てることなど、色々教えてくれた。
奥さんにお礼を言って、奥さんは部屋を出ていった。

『食事までまだ時間あるし、さっき教えてもらった魚市場に行ってみるか』
父の案に私達は賛成した。