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魚市場
私達は財布やタオルなど、必要最低限のものだけを持って旅館を出た。
私と妹はお揃いの肩掛けショルダーに、友達にお土産を買うためのお金を入れた財布とタオル、携帯などを入れていた。
旅館から魚市場までは船着き場とそう変わらない距離で、船着き場の数10メートル先に、魚市場がある。
ほとんど隣接しているようなものだ。
魚市場と船着き場の間には、魚市場用の船置き場や駐車場があった。
旅館からまた10分ほどかけて魚市場に到着した私達は、旅館でもらったジュースが全部汗になっているかのように、服がびしょびしょだった。
時計は昼の13時前を指している。
『お腹減ったわぁ』
母が魚市場に着くなりそう言った。
お昼をまだ食べていない私達にはすごい誘惑である。
魚市場の入り口をはいるなり、丸ごとの魚を売っている場所や、刺身のように切り身で売っている場所、お土産用にと袋やケースで冷凍された魚介類など、色々売っていた。
小さな島なので、小さな魚市場を想像していたが、意外に広く、買った物をその場で焼いて食べれたり、丼にしてくれるサービスまであったのだ。
『お昼はここやな』
私達はみんな頷いた。
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