第一章 -旅立ち、そして-

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とりあえず、外に出る。 「…なるほどな」 そして俺は、眉間を抑えた。 記憶の通りであった。 今自分がいる、主人公の家。 そして、隣に建つ、所謂ライバルの家。 そして、ひときわ大きい建物。 オーキド研究所。 その先に畑やら何やらもあるが、その奥に水路が見える。 ここから先に行けば、記憶が正しければグレン島なのだろう。 「段々、思いだしてきた…」 そうして振り返るうちに、色々と思い出されていく。 記憶というのは不思議なものだなと思いながら、とりあえず研究所に向かった。 …行くだけ無駄なのは分かっているのだが。 しかし。 「あ、ケイだよね?やほー」 「初めまして、ケイさん…ですよね」 話しかけてくる、二人の女性。 ……あれ?ライバルってもっとこう… そんな感じで考えていると。 「…どうかしましたか?」 と、金髪の女性に顔を覗きこまれる。 「…いや」 俺は顔を逸らす。 あまり顔をじっと見られるのは精神衛生上よろしくない。 「…それより、博士は?」 そう尋ねると。 「まだ来てないけど?」 と今度は茶色がかった髪の女性が答えた。 …いない事は知ってるけどな。 とりあえずあんたら誰だ。
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