プロローグ

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自分の夢なのだから、自由に動けない事はある種、不快な訳だ。 今はそんなことを言ってられない。 それは何故か。 巨大なバッタが、もう目の前まで来ているからだ。 謎の異臭と、鳴き声らしき音が聞こえた。 早く覚めてくれ、寝起きが悪くても良いから。 と、ここまでが一番最初に見たこの夢の感想である。 もう何度もこの流れを見ている訳で、いい加減、結果も解っている。 俺は今正に、巨大なバッタに食われそうになったその時。 体が青白い光に包まれた。 巨大なバッタも流石にその光に怯んだらしく、一瞬怯んだ。 その隙をついて俺は、人間離れした跳躍で後ろに下がった。 ここで俺は朝8時のスーパーヒーロータイムヨロシクな姿になるものだと思っていた。 だが、その理想は儚く散り去った。 長く延び、銀色に染まる髪。 膨らむバスト、大きくなるヒップ。 キュと引き締まるウエスト。 勘がいい人はもう解っただろう。 無いものが出てきて、有るべき物が無くなった。 俺。いや、私。 性別が変身しました。 もっと分かりやすく言うと…… 女の子になりました。 と、夢はここで終わる。 夢は後、ワンパターンあるのだがそれは追い追い話すとしよう。 そろそろ起きるらしい。 視界が白く染まってゆく。時間が来たようだ。       
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