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私なんかが閻魔大王と恐怖の女王を仲裁出来るはずがない・・・。
完全に平常心を失った私の視界の端でマサトさんが微かに動いた事に気付いた。
止めてくれるの!?
私は再び期待を込めてマサトさんに視線を向けた。
マサトさんは背筋を伸ばして後ろで手を組んだ。
笑顔を浮かべていた表情も真剣なものに変わっている。
そして、鋭い視線は私達が座っているテーブルに・・・じゃない。
テーブルを通り越しドアの方に向けられている。
・・・?
そんなマサトさんが頭を下げて『ご苦労様です。』と言うのとドアが開く音がしたのは同時だった。
「おかえりなさい。」
私の正面に座っている綾さんがドアに向かって色っぽい笑顔を向けた。
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