第二章

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HR(ホームルーム)が終わり、授業の準備をする。 教室まで走ったせいで、優華の心臓はまだドキドキしている。 麗もきっと久しぶりに走ったからドキドキしてるだろうなと思いながらふと、窓の外から入ってくる初夏の風を感じ、少しだけさわやかな気分になり今日の放課後の予定を考える。 (あ~、さっき競争で麗に勝ったからジュースねだりに行こう。何買ってもらおうかな?) と、考えているうちに先生が来てしまった。 一時間目は社会だ。 (あぁ、あたしの中にあたしを襲う魔物がいる……Zzz) ――― ――――― ――――――― ………ぃ……… ……ぃ………きろ……… ん? 何かがあたしを引っ張ってる………。 『おぃ!!!橘、起きろ!!!』 ふぇ???? 『ふぇ????じゃないよ。お前今授業指されてる』 ぇえ!? あたりを見回すと見事に半数以上は撃沈していたが、起きている半数はみんな優華を見ていた。 声をかけて起こしてくれたのは前の席の隼人(ハヤト)だった。 『ぇ??今、どこやってるの??』 『75ページの三行目。幕府は~って所から。』 『はぃ、幕府は~……………………』 『はぃ、橘、ありがとう。じゃあ、次菅谷読んで』 『ハィ』 ――――――― ――――― ――― 授業中に指されるなんて、しかも、社会の先生の授業だとみんな寝ちゃうから、暇なんだよなぁ。
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