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鷹野「……確かに今の私があるのは、あの人のおかげかもしれない……。でも……たとえあの人が私の支えになってくれたとしても、私には『罪』が残っている……決して許されない大きな『罪』という存在が……」
鷹野は俯いたまま静かに語る。
その背には、目に見えない大きな十字架が突き刺さったようにも見えた。
創主はそんな鷹野を見つめながら語る。
創主「人はこの世界に生まれでた瞬間から『罪』を犯す生き物さ。多くの生き物の命を犠牲にして、人は世界を生きている……そうしなければ自分達は生きられない事を知っているからね……。
常に『罪』の十字架を背負って生きる。それは人として生まれてきた全ての存在に定められたこと……。
だが、それとは関係無しに『罪』を犯す人もいる。そういった者には、必ず『罰』を受けなければならない……。
『罪』には『罰』を……それは全ての世界に共通する掟……」
鷹野「………………」
創主「鷹野は確かに許しがたい『罪』を犯した。だけど、その『罪』を許してくれた人が鷹野にはいる……。
『罪』は償う事ができる。だから、コレからゆっくり『罪』を償えばいい、それが鷹野に与えられた『罰』だからね」
創主の言葉に、梨花がクスリと笑う。
黒梨花「『罪』を償う『罰』か……貴女も意外に良いことを言うわね」
創主「馬鹿野郎!私を誰だと思っているんだい!!?」
黒梨花「自分勝手で自己中心的な創造神!」
創主「ンだとクルァ!!じゃあ梨花は狸2%つるぺた幼女だ!!」
黒梨花「なんですって!?」
創主・黒梨花「「ギャー!!ギャー!!」」
梨花と創主が言い争う一方で、鷹野は静かに巨峰酒を飲みほした。
鷹野「……こうして、貴女達とお酒を飲みながら話し合うのも、私の犯した『罪』への償いの一つなのかしら……?」
黒梨花「私達は、もう貴女の犯した『罪』を咎めないわ……むしろまたあのディープなオカルト小説を読んでほしい程度にしか思っていない。……それに、今の貴女は一人じゃない。私のように、貴女を想い、守ってくれる『仲間』がいるんだから」
梨花が微笑みを浮かべながら言うと、鷹野もつられて微笑みを浮かべる。
創主「さぁて、辛気臭い話はココまで!!今日は夜まで飲むぞー!!」
黒梨花「それはいいとして、結局〝アレ〟はどうするのよ!」
梨花は境内から遠くの森に見える巨大な大空洞に指をさした。
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