1-2 紅魔の館

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 博麗神社の裏にできた謎の大空洞に関する相談者を集める為、魔理沙は、紅魔館を目指して飛んでいた。 しばらくすると、湖の畔に屋敷全体が血のような紅色で染まった大きな屋敷が見えてくる。 この紅の屋敷の名前は『紅魔館』……。 吸血鬼『レミリア・スカーレット』を主とする屋敷であり、幻想郷の一勢力である。  魔理沙は門番の中国(『紅美鈴』)を無視し、窓ガラスを割って勢いよく中に侵入した。 魔理沙「邪魔するぜーーー!!」 ガシャーーーーン!!  派手な音を立てながら、勢いよく侵入してきた為、紅魔館の主であるレミリアは、優雅に飲んでいた紅茶を吹き出してしまい、せっかくのお茶の時間が台無しになってしまった。 もっとも、魔理沙が毎度毎度のようにガラスを割って侵入するのは、今に始まったことでもない為、もはや日常の一部としてとらえているようである。  しかし、毎度のように侵入を許してしまう為、レミリアは門番である美鈴はいったい何をやっているのかと、メイドの『十六夜咲夜』に聞くのも、毎度の展開である。  そのため、咲夜は魔理沙に向かってナイフを投げまくり、レミリアの親友にして魔法使いである『パチュリー・ノーレッジ』は、『今日こそ盗んだ本を返してもらう』と叫びながら、魔理沙に弾幕を撒き散らしている……。 もちろんこれ以上騒いだら、屋敷が壊れる可能性もある為、レミリアは戦いに終止符を無理やり打たせた!! 「いい加減にしなさい!!神槍『スピア・ザ・グングニル』!!」 ドガァァァァァァァ……ン!! レミリアが放った神槍は、魔理沙達を巻き込んで、紅魔館の壁を突き破り、幻想郷の空へと消えていった。 そして今は、咲夜に小悪魔、美鈴やその他の屋敷のメイド達が、壊れた壁を修理している。 もちろん、この状況を作った元凶の魔理沙にも、働いてもらっているのも言うまでもない。 魔理沙「なんで私がこんな目に……」 「大元の原因は、アナタなんだから、つべこべ言わずに、さっさと修理を手伝いなさい!!」 魔理沙「ちぇっ!!」 銀色の髪と青と白のメイド服を着た紅魔館のメイド長、咲夜に小突かれ、魔理沙がブツブツ文句を言いながら作業を進め、レミリアはその光景を、優雅に紅茶を飲みながら見つめていた。
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