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緑「なにが、緑くんなんだよ」
緑玄の声にいつもの明るい声色はない。
それは二人きりの時だけの特別な声。
俺しか知らない緑玄の俺を呼ぶ夜の声だ。
俺はそれだけで、もう逆らえないのだ。
愛だの恋だの好きだ嫌いだの気持ちとは別に、俺達の間の主導権は緑玄にあった。
それは暗黙の了解で、緑玄はそれを大きく振りかざしたりは決してしない。
だが…今日は少しのお酒と、やはり小さな苛立ちが緑玄の男特有の征服感に火を点けているのは間違いなさそうだった。
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