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そんな事を考えていたら、俺はこの場に居られなくなった。
俺は明るい世界の一滴の染みなのかも知れなかった。
俺はそう思うと、もう直ぐに言っていた。
紅「緑くん。俺ここいらでおいとまするわ。明日早いし」
莵に角帰りたかった。
緑「え~紅ちゃん帰っちゃうの~?まだいいでしょ?!」
緑玄は言った。
俺の知らない男の顔で。
俺はますます居所を無くした。
紅「緑くんは楽しんどいでよ~。ほんとよく頑張ったよ。みんないい人だね」
これは半分本心。
頑張った緑玄のご褒美の席だ。
同僚の人、スタッフの人、皆で今日の日を楽しみ、祝って欲しかった。
緑「ん~。わかった。今日はオレ抜けらんないし、紅ちゃんホントありがとね!」
緑玄は少し残念そうな顔をしたがそう言って俺を皆の方に向け続けた。
緑「皆さーん!紅ちゃんが帰りまーす。お疲れ様でしたー」
自然と沸き上がる拍手。俺には勿体ない。
だけど俺は言った。
紅「ありがとうございます。緑くんのプロジェクトに関われて光栄です。皆さまこれからも緑玄をよろしくお願いします」
あ…世界が膨脹する。
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