プロローグ<終わりの始まり>

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だがこの事態はこれだけに留まらなかった。 無人KDたちの攻撃は<地球政府>までに延びたのだ。地球政府はこれを鎮圧するべく、ある1人の傭兵を送り込む。 その傭兵の名前は<ロング・バレル>。彼は企業に狩り出されなかった傭兵のわずかな生き残りだったのだ。 ロングは地球政府が緊急配備したMD、「ジャスティス」を駆り、見事に任を果たす。無数の無人KDたちは彼の働きによって、破壊されたのだ。 ロングはその後人類を救った「英雄」と呼ばれ、称えられた。 こうして1年に渡って続いた戦争は終戦を迎える。平和が訪れると、誰もが思った。 しかし、長く続き過ぎた戦いにより、地球環境は破壊され、自然の生態系を乱してしまったのだ。無論、人が住める場所はなくなっていた。 そして人類は大きく2つに分かれる。1つは地球の環境に近いと言われている「火星」を新天地として移住する者たち。 もう1つは地球に残り、「地下世界」を築き、地球再生を掲げる者たちだった。 火星に移住し始めた者たち、ミラード社とクレスタ社の二大企業は互いのテクノロジーを駆使し、火星の大地を開拓していった。 絶え間ない努力によりわずか数年で地球人口の60パーセントが移住。そして地球政府から人材が派遣され、「火星政府」が組織された。
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