第一部

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「深紅! どうして一週間も連絡とれなかったんだよ!」  今まで心配していたことが吹き飛んで成輝は思わず大きな声を出す。怒りと、半ば嬉しさ故の興奮も入り交じっている。まるで幼子を心配する母親みたいだ。  だがそんな成輝とは裏腹に、冷静な深紅は目を丸くして彼を見つめた。 「‥‥んあー、よく分かんねーけど、さーせん。‥で、アンタどちらさん?」  ここで初めて成輝は多少の冷静さを取り戻し、深紅のおかしな言動一つ一つに疑問を抱いた。 大きな瞳がじっと自分を見つめる。今度成輝を襲ったのは驚きとと数々の疑問だった。 それは一週間前、自分を見つめていたそれと確かに同じはずなのに。言い知れぬ不安が襲いかかる。  ―――深紅の身に何が起こった?
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