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「お前は俺の"親友"なんだよな?」
「う‥うん‥多分」
そのはず、今までそのつもりだった。深紅がどう思っていたのかは別として、成輝にとって一番一緒にいたのが彼だったから。
確かに深紅がどう思っていたかは成輝には分からない。けれど、この期に及んでいとも初歩的な疑問を突きつけられるだなんて思ってもみなかった。
成輝にとっては少々酷な質問だった。
深紅はしばらくあーでもないこーでもないと独り言を呟いていたが、やがて一呼吸おいてからゆっくりと話し出した。
「単刀直入に言うと俺は、お前の"親友"である深紅じゃない」
「‥‥は?」
成輝は石像のように固まった。その間は一分だったかも知れないし一時間だったかも知れない。思考の崖っぷちから突き落とされそうな成輝には時間的感覚すらも失われていた。
その間成輝の脳はフル回転で、深紅の言葉の意味を理解しようとしていた。
‥日本語って時折難しい。頭では分かっているのだけれど、そんなこと有り得ないって自分の理性が理解することにストップをかける。
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