第一部

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 学校生活といっても、時間通りに登校しないのは当たり前。というより、学校に来るのか来ないのかさえも気分次第。 授業も気分でサボるし、課題なんて以ての外やろうとしない。 こんなことが一週間続いた。  そのせいか、成輝の中では前から深紅はこんな人間だったと思いこむようになってしまって、深紅のだらしなさをいちいち叱れずにいた。 あの日のおかしな深紅の言葉なんてもう、すっかり忘れてしまっていて。  ある日、成輝と深紅が一緒に昼食を食べている時―――深紅はコンビニ弁当だ――――、おしゃべりな深紅がいつも通りに成輝に語り倒していた時だった。 「俺さー、ここで暮らすんだったら何になろう」 「へ?」
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