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何になろう、と言われてふと思い出す、あの光景。随分前の話になってしまったが、いつかの放課後、深紅が「警察官になりたい」と言っていたのを思い出して、成輝は はは、と笑ってみせた。
「何言ってんの、深紅は警察官になりたいって言ってたじゃん」
「はぁ?」
深紅は眉根を寄せて首を傾げた。
そんなこと一言も言ってねえけど、と当たり前のように言われてこちらの記憶がまちがっているのかと不安になる。しかしこの記憶は夢でも嘘でも何でもない、真実だ。
しばらく頭を捻っていた成輝を見つめ、深紅は「それ、前の俺じゃねえの?」と何でもない風にさらっと言った。
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