第一部

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「‥本当に、ずっと友達でいてくれる?」 「ああ、ずっと一緒にいるよ」  多分、自分たちは「家族」がいないから、何かの絆を強く求めてしまうのだと思う。 深紅を「家族」に見立てて安心してるわけではないけれど、彼とはずっと友達でいられる‥そんな気がしていた。お互い、まだ恋人も出来ていない身だから、余計そう感じるのかも知れない。  もし深紅が自分と同じ心境で、自分が深紅を好きなのと同じくらい自分を好きで、必要としてくれているのならこんなに嬉しいことはない。 そう思って、自分がいかに深紅を好きでいるか改めて実感し成輝は思わず苦笑した。  夕焼け空が成輝の込み上げる思いの後を押して、その日はいつまでも深紅と一緒にいたい、ずっとそう思わせていた。 ―――――――――――――
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