68人が本棚に入れています
本棚に追加
2年後――。
「はあ…」
私はジュース片手に依頼書を見ながら溜息を吐いていた。
「なんかしょっぱい依頼ばかりなんだよね…」
横と前に2人の少女…が座っており、私の前に座る少女…が口を開いた。
「仕方ないだろう。ここは新設したばかりのギルドだ。良い依頼等回ってこないさ」
私は納得いかない表情をする。
「それはそうなんだけど…」
横に座る少女は、ギルド饅頭、ギルまんをもくもく食べている。黙々ではなく、もくもく。
「もく…もく」
よほどおいしいのか、少女のネコミミが動いている。…アレ、髪の毛のハズなんだけど。
「しかしまぁ…イャンクックだとか、今更ねぇ…。まぁ仕方ないか…」
受付に依頼書を出そうかと思ったその時だ。
「すみませーん!このギルドにスッゴい強いチームが来てるって聞いてきたんですけど!」
威勢よく1人の少女が入ってきた。フルフル亜種の装備を着込んでおり、ふむ、成長具合からして14、15歳といったところか。
「その人達に手伝って欲しいクエストがあって…」
入り口近くにいたゴッツい野郎共が声をかける。
「そいつは俺達の事だぜ」
ああ…なんてお約束展開。
「え、あなた達…」
さて、ちょっと助けてやるかと思って立ち上がると、男達が吹っ飛んだ。見ると彼女の片手には金色の片手剣が握られている。
「ほら…私より弱いじゃないですかぁ…」
…出オチですか。
それを見て、私の前の少女…が感心している。
「何とも元気の良い子供だな。しかし私だけ少女の後に間を空けるのはやめてくれないものか」
いや、キミも独白を読み取るのはやめてくれないか。
ふと目を戻すと、吹っ飛んだヤツの仲間と思われる男が、元気な少女の背後から大剣で襲いかかろうとしていた。
「てんめえ…え?」
私は横に立てかけておいたボウガンで、男が大剣を振り上げた瞬間、大剣を撃ち抜いてやった。まさか折れちゃうとは思わなんだが。
「あー……ごめん、ほんとごめん。そんなナマクラだと思わなくて」
周りがざわつく。どうも私のボウガンを見て騒いでいるらしい。
最初のコメントを投稿しよう!