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全員が持ち物の確認を済まして準備を終えた頃、バスが氷岳山の麓に到着した。
メンバーは次々とバスを降りて体を伸ばしたり、張り切ってストレッチをしていた。すると、
「あんたら今から山に登るのかい?」
急に声をかけられたメンバーは、一斉にその声の方へ振り向いた。
そこには腰の曲がり頭が真っ白なお婆さんが杖を頼りに立っていた。
雅人がその問いに代表して爽やかに答えると、
「今は台風が近付いとる。
悪いことは言わん。山に登らん方がええ!」
お婆さんはメンバーを心配してか語気を強めて言ってきた。
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