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大翔は、由里菜に何回か声をかけながら進んだが、反応してくれる様子はまるでなかった。
その度に、キャッキャッと騒ぐちひろを無視して山を登って行くと、あっという間に5合目まで辿り着いた。
「合宿所まで後2合だ。頑張れよ!」
雅人が後ろにまで響く大きな声でそう伝える。
由里菜の前を歩いていた優子は、それを聞いた途端に元気になった。
「ねぇ雅人。もっとペース上げようよ。」
優子は甘えた声でそんなことを言っている。
(ここからペースアップはちょっとキツいだろ?)
大翔がそう考えていると、雅人も同じ考えだったらしく断っていた。
結局ペースを変えることはせず登ること一時間、やっと合宿所に辿り着いた。
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