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「登山サークルのみなさんですね。
お久しぶりです。今年も楽しんでいってください。」
雅人が振り向くと、狩人の様な格好をし、ニット帽を深くかぶった防冷荘の管理人の五十嵐 大次郎(イガラシ ダイジロウ)がニコリともせずに立っていた。
雅人はそんな五十嵐に右手を差し出し、
「今年も騒がしくなると思いますけどよろしくお願いします。」
五十嵐も握手をしながら、
「"あんなこと"があったのにまた来てもらえて光栄なくらいですよ。」
五十嵐の言葉を聞き雅人を含む依子と優子はピクリと反応した。
優子はそれを誤魔化すように、
「おじさん。疲れちゃったからさぁ早く部屋に案内してよ。」
と部屋の鍵を催促した。
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