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優子に誘導されるように優子の隣の席を見ると
色白で黒縁メガネさらには痩せ型で無口という、
登山をするイメージから掛け離れた氷堂 徹弥(ヒョウドウ テツヤ)が静かに読書していた。
徹弥は大翔の視線に気付いたのか、本から目を離し面倒くさそうな表情で
「…………なに?」
しばらく目が合ったその後に、一言だけそう聞いてきた。
特に用事のなかった大翔は
「いえ、おはようございます。」
そう言うと徹弥は、「おはよう…」と短く返事し、本に視線を落とすと、また読書を始めた。
優子は化粧しながら、その様子を面白そうに観察していた。
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